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Aプログラム/ダンスプロダクション・サポートプログラム
作者インタビュー/伊東歌織「uRu・guLa!!」について語る

インタビュアー:佐東範一

— 上富田でのレジデンスはいかがでしたか

一週間はもうとにかく早く過ぎていってしまって、ダンスそのものと、美術・照明などを並行しながら同時進行で考えていく時間だったので、作品の根本的なことについてじっくり考えを詰めたりするっていう余裕がなかったのですが、出来上がった美術や照明とか、おぼろげにつなげた構成を、舞台上で実際に形として見ることができた時、「ああ、これが私の世界感なのか」ということを、自分のことなのに他人を観ている様な気分でこの時期に客観視出来たことが凄く大きかったと思います。


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— 東京で稽古していることとの違いはなんでしたか?

そうですね東京で稽古をしていると、こういうものが欲しいとイメージしても、それをどう具現化していくかということに結構時間がかかるんですけど、それを即座に和歌山のスタッフの方々が対応してくれたり、あとはメンバーみんなが同じ場所に滞在しているので、思ったことが形になるのがとにかく早い。でも実は最初は、ダンスが出来ていないうちにテクニカルの部分とダンスを同時進行に考えるということそのものが、コンセプトの核とズレてしまうのではないかと不安でした。11月末にスタッフ見せをおこなった後に、やってきた流れを全て壊して再度創作に取り組んでいたので、まだダンス自体がまるで固まっていない状況で和歌山に突入してしまったので。でもどちらも並行しながら創作していくことが、結局は作品全体を自分が掴むことに繋がるのだなという実感を、ふんわりとですが得られたんです。それは自分でもやってみて初めてわかって、びっくりしている状態です。例えばこの動きには、この照明の色の背景、というイメージを重ねて実際に観ることで、とてもクリアーにこれが私は観たいんだ、とジャッジ出来る。また、美術に実際に触れたり遊んだりすることでしか生まれない物語がある。ダンスの動きだけではない部分に、作品の強度を増幅させるヒントが隠れていて、その断片を汲み取ることが出来たことが今回とても大きかったと思います。


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— 作品の進み具合はどうですか?

森下スタジオでのテクニカルスタッフへのショーイングの時は、とにかくこう浮かんだことを全てつなげて構成をメインに考えていて、ダンスの中身は後回しにしてしまっていた部分があって、それで本来やりたいこととズレてしまっていたり、物語そのものを表現したいのか、それともコンセプトの部分を強く打ち出したいのかが、やはり見えにくいっていう意見が多かったので、自分はどっちなのだろうかと思ったときに、自分はコンセプトの方だから、物語性は排除しても良いって、その時は思ったんですね。でも上富田に来てから無意識的につなげていったものを振返ると、物語の要素も何故か入ってきてしまう。どうやら私が創り出したいものは本当は、両方が組み合わさった世界なんだなということに気づかされました。

和歌山では私一人でダンスとテクニカル部分の両方を並行して出来る余裕がなかったので、周りのスタッフにすごく助けられました。私が漠然としたイメージやこんな感じっていう拙い言葉をアドバイザーの山下彩子や美術の昇平さんが深く読み取ってくれて、気づいたら自分の世界がひとつの絵になっていた。その世界に命を吹き込む作業を、帰って東京でやっていこうと思いました。


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— 11日に上富田の一般の方々に、途中経過の発表を行い、その後感想を聞いてみて、いかがでしたか?

やっぱり「分からなかった/初めて観た/これはダンスなんですか?」という意見が殆どだったんですけども、その中でもこちらが意図していたこと・・・。例えば今回あらすじはあるけれど、そこに留まらず自由に解釈してもらいたいなっていう思いがあって、そこをきちんと受け取ってくれた方がいらっしゃったんですね。観ている人それぞれにストーリーが浮かんでくるような感じだったっていう意見を言って下さって、ああ、伝わったんだと実感を得られた時、緊張が緩んで泣きたくなりましたね。あと印象的だったのは、「80年生きてて初めてこういうのを観たんだけど、やっぱりぜ~んぜん何もわからないんだけど、心のことをやってるのよねっていうのは何となく分かったわ」と80歳のお婆ちゃんに言われたことですね。

— そこから得られたことはありましたか?

そうですね、分からなかったっていうところを、この先自分がどれだけ分かりやすくしたいのか考えるきっかけにもなったし、一番大事な部分がほんのすこしだけど届いたという実感が得られたということがすごく大きかったですね。何も知らなかったり、ダンスを見慣れていなかったり、自分と元々関係性がないところで、そういう意見を直に聞くっていうこと自体が普段の舞台だとほとんど有り得ないことなので、とても貴重な経験になりました。


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— 初演の仙台公演まで、1ヶ月すこしありますが、今後どのように作品を進めて行きますか?

今回の上富田で五回ぐらい通しリハーサルをしたり、ワークインプログレスを経て、今見えてきた作品の筋の中で、伝わってる部分と全く伝わってない部分っていうのが、かなりはっきりしてきているので、そこをどう整理して詰めていくかっていうところですね。まずははっきりとやりたいことが見えてるシーンの強度を上げていく。今回上富田の劇場を使って得られた感覚っていうのが、稽古場だとこれぐらいのエネルギーでやってるんだけど、劇場だとそれだけじゃ全然足りないっていうのが肌でわかるので、そこをとにかくエネルギーでもっとより伝わるようにダンスそのもの、身体そのものの強度を上げていく事が、まず一つかなって思っています。そして一番作品の核となる、ダンサーの身体や性格の特性ももっともっと突き詰めて、動きに落とし込んでいきたいです。ここが一番大変な作業になるとは思いますが、あと一カ月、じっくりと向き合おうと思っています。

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