アーティスト・選出理由

Cプログラム 地元作品[開催地公募・新作/再演]

各開催地の主催者が、地元の振付家・演出家を発掘・サポートするために、
公募・依頼から選出した作品を上演します。


札幌


[応募作品]

松崎修作品

[選出理由]

齋藤ちず/NPOコンカリーニョ


昨年より、作品公募→公開選考会(選考委員:斎藤を含む4名)→Cプログラムに参加の手順で上演作品を決定している。本年は、応募2組という、幾分さびしい選考会となったが、ダンス作品創作には、初めての挑戦となる松崎修さんが、地域で北海道の民謡を謳い伝える活動をする佐藤裕子さん(三味線・唄)と組んだ作品を選出した。
選考会時点では、まだまだ作品として、ボリューム的にも作り切れてはおらず、肝心のダンス自体(身体の動き)も練られていない未熟な印象は否めなかった。しかし、世代も活動ジャンルも違う2人が、未知のダンス作品創作に挑戦し、充分に時間をかけ、動きを考案、構成することによって、現時点で民謡の歌詞を説明するだけに終始してしまった内容も、新しい作品に生まれ変わるのではないか、と考えた。松崎修さんのこれまでの活動内容も鑑み、その発展形に期待を寄せて、選出したものである。


東京


[応募作品]

アオキ裕キ作品

[選出理由]

中川歩美/あうるすぽっと


「原始時代のような肉体が踊っている姿」を探求し、現代においてそれを体現する路上生活者とともに活動を行ってきたアオキ裕キさんは、日本のコンテンポラリーダンス界において異色の存在である。路上生活者と踊るために、炊き出しの現場を回り、アオキさん自身が踊って見せてスカウトする。ダンスの練習のために交通費と食べ物を用意し、出演者(=路上生活者)が本番に来なくても、仕方ないとすっぱりあきらめる。「路上生活者の身体」を求め続けるその覚悟がすごい。10年に渡り、普通ではないダンス活動を続けてきたアオキさんと「おじさんたち」のありのままの魅力的な身体を、ぜひ多くの人に見てもらいたいと思い選出した。当初、東京会場においてCプログラムは実施しない予定だったが、路上生活者の「生きることに向き合う身体」による表現が、「東京」を映す作品として池袋での上演にふさわしいと考え、Cプログラムでの選出となった。
アオキさんは「社会運動がやりたいのではなく、芸術がやりたい」と断言する。プレゼンテーションされたプランでは、民族楽器を用いた即興的な音楽や人間の肉体を想起させる美術・映像によってプリミティブな世界観が強調されており、身体を見せることを中心に置いたこれまでの作品とは異なる広がりを見せていた。また、アオキさんの言葉からは、ダンス以外のアーティストとの関係性を欲していることも見て取れた。今回の「踊2」への参加は、1.カンパニーとして作品をより深めていく時期である点、2.新たなアーティストやスタッフとの出会いが今後の展開可能性を広げる点 という2点から絶好のタイミングであると言える。「踊2」!での創作が、アオキさんの活動を次のステージへ導くものとなることを期待している。


京都


[応募作品]

田村興一郎作品

[選出理由]

水野立子/「踊2」プログラム・ディレクター


「12/4に実施された京都芸術センター主催事業<KAC TRIAL PROGRAM 2016 vol.1 DANCE>
途中経過の作品を発表する催しの中から、関西を拠点に活動する振付家の作品を対象に選出した。
作品の中で踊っているダンサーは、生身の実在している男女というよりも、
現実感のない精霊のような気配を醸し出し、同時に舞台上には現在に流れている時間というよりも、
過去か未来の何時なのかわからない時間を生きているような、透明感のある不思議な印象をもたらす作品。
タイトルの「Yard」が連想できる時空間の広がりを想像し遊ぶことができ、
音楽もダンスも強く主張するというよりも、作品世界を表出するために設計され、
ダンスの繊細なセンスが光る作品だと感じた。
京都を拠点に活動する若手振付家として、今後の活動に期待を感じる作品として選出した。
2/5横浜ダンスコレクションで初演を経て、京都公演で再演となる。