アーティスト・選出理由

Bプログラム[リージョナルダンス]

札幌・仙台・福岡の各共催者が希望する振付家・演出家に依頼し、
地元で募った出演者と新作を制作、当地で上演します。


札幌


[選出理由]

齋藤ちず/NPOコンカリーニョ


札幌では、「踊りに行くぜ‼」Ⅱになってから、すでに5回、Bプログラムを行っている。札幌(コンカリーニョ)からも、全国に通用し、札幌に拠点を置きながら全国的に活躍するダンスの作家を生み出したいの一念である。幸い、札幌はダンススタジオが充実し、ダンステクニックを持ったダンサーは多い。この中から、道外の作家とともに創作の現場を経験することで、独自の発明をする作家が生まれてはくれまいか、その想いは、2000年の「踊りに行くぜ‼」スタートから変わっていない。
ただ、その想いはそうそう簡単に実現するものではないらしく、あるいは、もっと別のアプローチと並行しなければかなわないものなのか、まだ「よし!手が届いた」とは思えていない。なので、今年度もBプログラムに取り組む。
珍しいキノコ舞踊団と伊藤千枝さんの名前を初めて知ったのは、もう何年前になるだろう。その高いダンステクニックに支えられた、奇抜ともいえるポップな表現をこの目で確かめたくて、札幌の観客にも紹介したくて、一時期、札幌公演ができないものか、と画策したものだ。何をどうしたら、どう考えたら、ああいう芯もありつつ、ポピュラリティも高い作品が生まれるのだろう・・?しかも、劇場での舞台作品だけでなく、ほんとに様々、多様な場所と空間でダンス作品の上演に挑戦、観客を魅了しているらしい。興味は尽きない・・・。きっと、札幌の多くのダンスファンもそう思っていることだろう。今年度よりBプログラムは、公募から依頼制にシステム変更になったので、有効に使わせていただくことにした。
やっと、札幌で伊藤千枝さんの作品を上演することができる。きっと、刺激的な創造になることであろう。札幌のメンバーが、その刺激をきっちりと受け取り、変容することを期待する。


仙台


[選出理由]

千葉里佳/からだとメディア研究室


2011年から2014年にかけて仙台で行なったBプログラムは、出演者の個性や力量に寄せた感じの、どちらかというと“コミュニティダンス”的な作品制作を行なってきた。東日本大震災後からはじめた「踊りに行くぜ‼」Ⅱのこのプログラムによって私たちは、世代を越えてさまざまな人がつながり新たなコミュニティが生まれるという、ダンスが持つ力に喜びを見出し、魅力を感じていた。
一方で、仙台や宮城からも「踊Ⅱ」で全国巡回できる作家を輩出したいと思い、地元作家による作品制作(地元選出枠)を2013年から2015年まで実施したのだが、コンテンポラリーダンスがマイナーなこの地域では応募数も少なく、また、選出された作家にも出演者にも舞台作品制作に必要な技術や経験が不足していることが課題として多く残った。
そこで今年度は、出演者に圧倒的なダンス体験をさせてみたいと考えた。出演者に対して要求の高さと熱を持った作家を招聘し、その世界観を実現化する作品制作を徹底的にやってもらいたいと考えたのだ。出演者やスタッフを挑発し、鼓舞し、作品をつくることの楽しさも厳しさも経験させ、覚醒させてくれるようなアーティストに来て欲しい、と。
そう考えたとき頭に浮かんだのが、北村成美さんだった。
出演者には、彼女から作品制作に対する貪欲さ、具体的な技術、そして豊かな想像力を得てほしいと期待している。もちろんすぐに結果が出るような簡単なことではないと思うが、制作者としては地域において継続し経験を蓄積していくこと、可能性を拡げる機会をつくることが大事だと考えている。これはその一つの試みであり、希望である。


福岡


[選出理由]

津田朋世/スリーオクロック


舞踏作品が見たいと思い、今回のBプロには舞踏家の作家を探した。いろいろな人の作品動画を見る中で、ゆみうみうまれさんの作品に行き着いた。ゆみさんの作品は、これが舞踏なのかと思うくらいに、衣装も音楽も含めて世界観が奇抜で、私のこれまで見てきた舞踏とは違ってとても興味を惹かれた。
ゆみさんの作品の中で踊っているのは、ダンサーだけではなく、舞台経験のない人や身体障害を持つ人など様々だ。それを知って今回の福岡では、役者もダンサーも、それ以外のジャンルのアーティストも舞台経験のない人も、一緒になってステージの上で踊る作品が見たいと思った。メルボルン在住で、世界各国の人と作品を作っているゆみさんが、日本の西にある福岡で、ちょっと小洒落たもの好きの県民をどう料理するのかを楽しみにしている。