舞台美術のカミイケです。

鳥取の鳥の劇場でレジデンスをおこない、札幌、仙台、鳥取と公演を終えました。
鳥の劇場の方々には素晴らしい環境を与えていただき、札幌、仙台の劇場、制作関係者に本当に感謝の気持ちで一杯です。

肝心な「作品」の現状はというと、正直、あと一歩足りない。一歩だけど大きな一歩で、足りない事自体は分かっているけど、埋め方が分からない。という状況。

「作品」とは、僕たちのチームで言えばダンスと音楽と美術と衣装をひっくるめた事で、僕は仙台から足りないと思っていて、話し合うも足りない部分は埋まらず。

札幌の時は見えてなかったのか、思わなかったのか、気付けなかったのか分か らないけど 今はそう思う。

そんな時に鳥取公演後、鳥の劇場で打ち上げをして、ホテルに帰って、坂本さんや僕たちのチームで部屋飲みしながら互いの「作品」についての討論が始まった。
舞台の世界には絵に描いたようなありがちな状況だったけど、最近見かけなくなった景色だとも思う。

坂本さんは「じゃあ喧嘩売らせてもらいますけどね」から始まる言葉に、「いいですよ」と受ける青木さん。録画を何故しなかったのかと後悔したほど良い景色だった。

「ほんとうの対決というのは、自分を相手にぶつけ、相手も自分にぶつかってきて、お互いがそれによって、活きることが対決なんだよ」と岡本太郎も言っていたけど、そのままだった。

それはとても泥臭い事で暑苦しいと思われるか もしれないけ ど、「作品」とはそういうもので出来ていると思っている。

坂本さんと対決できた事は僕たちにとって大きな出来事で、初心を思い出し、熱くさせてもらえた。

今はギリギリまで意見を出し合いつつ考えていき、必ず足りないものを埋めて、京都に持ってこうと思い作業を進めている。