11.14
人と一緒につくるということ
10月末に、ストーリーを改めて言葉でちゃんと書いて、
シーンの目次表をつくり、メンバーに渡してから、
進むのが確実に早くなってると思います。
早いのは、なにより、分担がしやすくなったからです。
メンバーがストーリーを共有してくれているので、
振りなどは、大まかな流れを、まず一緒に考えて、あとはおまかせします。
絵画でいうと、エスキースや下書きを書いていく段階だと思います。
どうしても入れて欲しい動き、ステップも同時に伝えて、
振りをつめてもらってる間に、
私は、小道具の指示書を書いたり、映像の絵コンテを書いたり、自分にしかできないことをやります。
(写真は分担中の風景。
台詞作成中の大ちゃん、かぶりものスケッチ作成中の私、振り考案中の晴ちゃん。)
振りや動きの最初の流れを決めるときは、やりたいことをちゃんと伝えられたり、伝えられなかったり、
コミュニケーションの難しさを感じるところもあります。
けれど、そこは粘ってやります。大まかな流れが決められたら、メンバーにぽーんと投げます。
メンバーは、私の下書きに、アイディアを肉付けをしていってくれます。
一人では思いつかない動きが盛り込まれていって、豊かになっていくのを実感しました。
これは、最近の大きな発見なのですが、
ダンスの舞台をメンバー、スタッフと一緒につくることは、
なんだか、複雑な編み物みたいだなと思います。
プロダクトの企画デザインや、美術展の仕事の時も、チームで仕事をしましたが、
ディレクターや作家の色で、作品が統一されなければ、、という空気を
私は、勝手に感じていたように思います。
でも、ここにきて、人と一緒につくることは、そうではなかったんだなと感じます。
絵の具のように、色が混じって、一緒くたになるのではなく、
何本もの色違いの糸が、上に下に編まれていって、複雑な色の布ができていく感じです。
混じっても、一本一本の色は垣間見える。たくさんの方向から、うまく、からまって編み込まれている感じ。
でも、制作の作業量を普通に考えても、舞台は、人と協力し合わないと、
どう考えてもやること多すぎて、できないと思いました。。。
関わってくれる人々を信じて、あるところからは、ディレクションを手放すことも、
ディレクターの能力なんだと痛感しました。
おそらく、ディレクター一人で抱えて、あれこれ言っていても、
何にも形にならないんだなぁ、と思います。
上からでも、下からでもなく、関わる人たちと、同じ立場で意見交換していきます。
その対等さをキープすることは、とても大変だけど、同時に、一番楽しいことでもあると思います。
ひとつ、かたちになった時のうれしさを、共有できるからです。
この感覚は、舞台にかぎらず、人間生活においても、けっこう必要なことなのかもしれないです。
関わってくれるメンバーの勢いをどんどん受けて、
寄り道、たくさんしてみようと思えているこのごろです。
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