10月末に、ストーリーを改めて言葉でちゃんと書いて、
シーンの目次表をつくり、メンバーに渡してから、
進むのが確実に早くなってると思います。

早いのは、なにより、分担がしやすくなったからです。
メンバーがストーリーを共有してくれているので、
振りなどは、大まかな流れを、まず一緒に考えて、あとはおまかせします。
絵画でいうと、エスキースや下書きを書いていく段階だと思います。
どうしても入れて欲しい動き、ステップも同時に伝えて、
振りをつめてもらってる間に、
私は、小道具の指示書を書いたり、映像の絵コンテを書いたり、自分にしかできないことをやります。
(写真は分担中の風景。
 台詞作成中の大ちゃん、かぶりものスケッチ作成中の私、振り考案中の晴ちゃん。)

振りや動きの最初の流れを決めるときは、やりたいことをちゃんと伝えられたり、伝えられなかったり、
コミュニケーションの難しさを感じるところもあります。
けれど、そこは粘ってやります。大まかな流れが決められたら、メンバーにぽーんと投げます。

メンバーは、私の下書きに、アイディアを肉付けをしていってくれます。
一人では思いつかない動きが盛り込まれていって、豊かになっていくのを実感しました。

これは、最近の大きな発見なのですが、
ダンスの舞台をメンバー、スタッフと一緒につくることは、
なんだか、複雑な編み物みたいだなと思います。

プロダクトの企画デザインや、美術展の仕事の時も、チームで仕事をしましたが、
ディレクターや作家の色で、作品が統一されなければ、、という空気を
私は、勝手に感じていたように思います。

でも、ここにきて、人と一緒につくることは、そうではなかったんだなと感じます。
絵の具のように、色が混じって、一緒くたになるのではなく、
何本もの色違いの糸が、上に下に編まれていって、複雑な色の布ができていく感じです。
混じっても、一本一本の色は垣間見える。たくさんの方向から、うまく、からまって編み込まれている感じ。

でも、制作の作業量を普通に考えても、舞台は、人と協力し合わないと、
どう考えてもやること多すぎて、できないと思いました。。。

関わってくれる人々を信じて、あるところからは、ディレクションを手放すことも、
ディレクターの能力なんだと痛感しました。

おそらく、ディレクター一人で抱えて、あれこれ言っていても、
何にも形にならないんだなぁ、と思います。

上からでも、下からでもなく、関わる人たちと、同じ立場で意見交換していきます。
その対等さをキープすることは、とても大変だけど、同時に、一番楽しいことでもあると思います。
ひとつ、かたちになった時のうれしさを、共有できるからです。
この感覚は、舞台にかぎらず、人間生活においても、けっこう必要なことなのかもしれないです。

関わってくれるメンバーの勢いをどんどん受けて、
寄り道、たくさんしてみようと思えているこのごろです。