「ピンクなのに”ブラック”〜」と、あっこさん。

見つめているのは、先ほど大ちゃんが発見し、即購入したTシャツです。
テイストはあくまでもカワイイのに、思いっきりこの世を風刺したものです。

「カレイなる家族の食卓」のストーリーにはまっていて
一同びっくり&大笑いしました。
ニワトリが目玉焼きの食卓にいるバーションもあるそうです。シュールでステキです。

今日は、朝のうちからトヨタ稽古場でした。
晴ちゃんと、中盤の踊りをつくりました。

このシーンは、作品の中ではけっこう大きなシーンです。
4人家族の心のがはなれたり、ちかづいたり、揺らいでいるのを表現したいけれど、
前回は、うまくイメージを伝えられませんでした。
メンバー3人からも、自分自身からも、うまいこと動きが引き出せなくて、
その日は、沈みました。。

人に、自分のやりたいことがうまく伝わらない。それは、たいてい、
一つのシーンで、伝えたいことが複数重なってしまっている時です。

「重要度の高いシーンだ」と思うと、気合いとテンションが上がります。
でも、それだけに、たくさんの要素を盛り込みすぎることもあります。
うっかり力をいれすぎて、盛り込みすぎていました。

一回、頭を真っ白にもどして、
このシーンでは自分にとって何が一番かなーと
あえて、カラダの力が抜ける時間、料理するときとか、お風呂入るときに
考えていました。

やりたいことが一個に絞られてくると
そのシーンの美術的アイディアも、カチャリとパズルがはまるように、決まります。
やはり、入れすぎた力は抜かんとな。

そして、今日のトヨタでは、発見がありました。
いわゆる「踊り」ではなく、すごくシンプルな動きについて、です。

静止状態から首の傾きをちょっと変えるとか、
体の力を一瞬抜く、とか。
それだけでも、空気がジワリと変わります。
人の気持ちが、体の在り方ひとつで大いに伝わることを、晴ちゃんと動いてみて感じました。

力のかぎり踊るダンスも好きです。でも、そうではない、気持ちの伝え方をさぐれた時間でした。
体そのものをコントロールする、というより、空気を、体の在り方によってコントロールする、という感じです。
ちょっと、探りがいがある気がします。

お昼に、稽古場ちかく、水道橋の「ハングリー味川」(すごいいいかんじのカレー屋)で食べました。
カウンターごしに、マスターのハンバーグを伸ばす仕草を、もれなく見る事になるのですが、
まさにダンスでした。相撲取りのシコ並みの腰の入れ方。
パーンパーンと肉を伸ばす音が鳴ります。そして、手が見えないくらい超、早いです。

午後は、ラストシーンの、もう一つの踊りにも手が付けられました。
ここも、盛り込みすぎていた音を、一つに絞りました。

長い一日の締めくくり、「味川」さんに、忘れてしまった帽子を
とりにいきました。
油のにおいがつかないように、丁寧にビニールに包んでとっておいてくれました。
チラシができたら、また、あいさつに伺おうと思います。