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PROCESS

ダンス・イン・レジデンス

本プロジェクトでは、参加が決定する7月以降から、年明け1月からの巡回公演が開始する前まで、12月年内をリハーサル期間と設定しています。
Aプログラムの参加アーティストは、自分の居住区でリハーサルを進めていきますが、一時期を居住区以外の地域に滞在し、集中して作品制作に取り組むための滞在制作(ダンス・イン・レジンデンス)を必須で行うことにしています。
各グループがどこで滞在制作を行うかは、その作品の特色に必要なクリエイションができるように、JCDNが適切なダンス・イン・レジデンスの場所をコーディネートしていきます。

ダンス・イン・レジデンスの意義

自分の生活圏で仕事や日常の雑事と並行して、1日の数時間を作品制作に充てるという形態では、日常と作品制作を行き来することになり、制作に集中するには限界があります。滞在制作のよさは、メンバー間の突っ込んだ作品へのディスカッションや、リハーサルを中心に据えた生活を通して、制作の密度をあげていくことです。

リハーサル以外の時間をメンバー間で共有し、コミュニケーションが深まること、メンバーと共に46時中作品制作に向かい合うことで、それまで見えてこなかった作品の新たな発想やテーマ、観客に通用する見せ方を見直すことに繋がり、自分たちのつくろうとしていることを常に自問自答し、見直す機会となるでしょう。

音楽、舞台美術、ダンス、映像など各ジャンルのアーティストが、自分のクリエイションへのフォーカスを深めるのと同時に、作品全体の演出を意識した視点をもてるようになります。

この期間中に試演会を行い、外からのフィードバックをもらうことも重要な点です。つくってきたものを一度崩壊させ、再生するという作品制作にとって必要な通過点ともなるでしょう。

Aプログラム ダンス・イン・レジデンス 実施概要

ダンス・イン・レジデンス① @青森
森田淑子作品

会場:王余魚沢倶楽部
期間:9月17日—9月23日まで

ダンス・イン・レジデンス② @和歌山
森田淑子作品

会場:上富田文化会館(共催:上富田町教育委員会)
期間:10月14日—21日まで

森田淑子 クリエイション・ドキュメント

ダンス・イン・レジデンス @鳥取
黒沢美香作品

会場:鳥の劇場
期間:11月16日—11月22日まで
黒沢美香 クリエイション・ドキュメント

ダンス・イン・レジデンス @鳥取
余越保子作品

会場:鳥の劇場
期間:11月25日—12月8日まで
余越保子 クリエイション・ドキュメント

振付家・演出家が、地域の出演者と作品をつくる。その土地の歴史、文化、習慣、方言、名産物、祭事などあらゆる地域文化と接しながら、人と向き合いながら、その地にレジデンスし、ダンス作品制作に取り組む。
作者は、制作する地域で初めて出演者と会ってから作品内容を考えるのではなく、作品構想をあらかじめ準備し、その作品に必要な出演者を選考するという方法。すなわち、出演者に合わせて作品をつくるのではなく、その作品にとって必要なダンス・パフォーマンスを出演者に演じてもらうというもの。

料理にたとえるなら、作者は調理する前にメニューを決めてかかり、出演者にはそれぞれ必要な材料になってもらうということ。しかし、何風味のどんなテイストにするのかは、料理人と材料が出会ってから、一番いい味つけを探ることが必要だ。Bプログラムでも、作家はダンス作品をつくる自分の方法論を探すことが必須となる。ダンスアーティストにとって、地域の出演者にとって、ハードルが高く、しかしその分、質の高い作品になることを期待している。

Bプログラム ダンス・イン・レジデンス 実施概要

ダンス・イン・レジデンス @札幌
隅地茉歩作品

アシスタント:阿比留修一
出演者選出オーディション:11月5・6日
出演:札幌公募により選出するパフォーマー6名程度
会場:コンカリーニョ<あけぼのアート&コミュニティセンター、ターミナルプラザことにPATOS等>
期間:11月5日-10日 / 12月16日-26日 / 1月5日-10日

ダンス・イン・レジデンス @仙台
佐成哲夫作品

出演者選出オーディション:10月27日
出演: 仙台公募により選出するパフォーマー5-10名程度  
会場:せんだい演劇工房10-BOX
期間:10月27日-28日 / 12月20日-27日 / 1月20日-2月9日

ダンス・イン・レジデンス @福岡
長内裕美作品

アシスタント:石塚彩織
出演者選出オーディション:10月9日
出演:福岡公募より選出するパフォーマー8-10名程度
会場:福岡市の施設<ぽんプラザ、ゆめアール大橋、パピオビールーム、福岡市民会館等>
期間:10月9日-10日 / 11月30日-12月13日 / 2月15日-3月1日

途中経過発表・試演会

ダンス・イン・レジデンスの途中、あるいは最終日に、開催主催者・地域の観客・地元のアーティスト・関係者などを招き、途中経過の作品発表や作品プレゼンテーションを行います。作家や参加アーティストは、観客からのフィードバックをもらうことで、作品がその時点でどこまで客席に届いているか、どのように受けとめられたのか、など率直な反応を受けとることができます。この反応を受け、1月からの巡回公演に向けて、さらに作品をブラッシュアップさせていきます。過去には、観客の感想を聞き、自分の伝えたいことが伝わっていない、と判断した場合は全ての作品の方向を変更し、作品を根本からつくりなおすというケースもありました。公演の前にこのような発表の機会を持つことは、とても重要なことです。
また、“創造し発信する”という本来の劇場が持つ役割を地域にアピールし、劇場やスペースが作品制作にどのように関わっているのか、地域の方に作品制作に興味を持ってもらう良い機会となるでしょう。

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