“Turning Point” 振付・構成:長内裕美

2月15日~公演前の後期クリエイションが始まり、本番に向けて作品の全容が見えて来たところで、作者の長内さんへインタビューしました。新作品『Turning Point』は、「踊りに行くぜ!!」Ⅱvol.4福岡公演にて初演をむかえます!!ぜひお見逃しなく!!

福岡公演 2014年3月1日(土) 会場:イムズホール (イムズ9F)
開演:19:00(開場は開演の30分前)
詳しくはこちら⇒https://odori2.jcdn.org/4/schedule/fukuoka.html

【インタビュー実施】
2月19日(水) @アートマネージメントセンター福岡事務所にて
インタビュアー:福岡公演制作 二宮

『Turning Point』クリエイションのようす

― 福岡で初めて会った出演者とクリエイションを行ってみて、新たな発見などありましたか?良かった事も、課題や問題だと思う事も含めてお聞かせください。

 クリエイションの時間が、平日だと出演者が仕事や学校に行ったりしていて、思っていたより取れないですね。でもそういったものを背負った上で、リハーサルに来るみたいな。この前、出演者から「朝からバイトして、劇団の事務作業をして、ここに来ました」って話を聞いて。日常生活の苦しさもある中で、体調管理とかも忙しいし大変だと思います。でもそんな中でみんなはダンスを創っている。
 どうしても仕事で稽古場に来るのが遅くなっちゃう人は、来てすぐにクリエイションに入らないといけない。だからストレッチとか創作に必要な体作りとかの時間が十分に取れなくて可愛そうだなって思うんですね。実際に作品の動きを作っている時間以外で、何かを私から受けとりたいって思って来てくれているのに、そういうのを渡せないのがちょっとなぁ、って思っています。

『Turning Point』クリエイションのようす

― そういったダンサーの生活を省みて、長内さんの日常と比べてどうですか?

 今回の出演者は5人中4人が19歳から26歳で、若い子が多いんです。私もその頃はバイトしてリハーサルに行っていたりしていたので、同じですよね。やっぱりダンスがしたいから、やりたくない仕事もしなくちゃいけなくて。でもダンスをしているときは楽しかったんですよね。踊っている時はしんどくはなかったです。

 あとは、東京を離れてここ福岡で創作ができている事が私にとって、とってもプラスですね。東京の環境が今の私にとって、創作に向いてるとは思えなくって。世界の都市の中でもまれなくらい人口が多いのに、その割には人との距離をとても遠く感じます。また、言うまでもないですが情報量が多く、過ぎていく時間のスピードがものすごく速い。そんな東京の雰囲気の中で、っていうのとは違って、日常とはかけ離れたところで創っているって感じがします。勿論、東京で活動することがプラスになる人もいます。でも、もっと人と人との触れ合いだとか、無駄や、はみ出した部分が日常の中にあるのが今の私には必要だと感じています。そういう理由でこのBプログラムに応募したっていうのもあります。東京じゃないどこかに行って、集中して創作できるっていうことに。

 ちゃんと仕事として振付をするって言うのも、日本ではあんまりないと思うのです。コンテンポラリーダンスだと本当にごく一部の名前が売れて世界で活躍するような人にしか。そんな中で、キチンと仕事としてやるチャンスを得たと言うのはすごいプラスですね。良いことだなって思いました。

『Turning Point』クリエイションのようす

― クリエイション中の、ダンサーとのやりとりを通して思う事はありますか?印象深かった事など。

 東京とかでいつも一緒にやっているメンバーとは違って、知らないダンサーとやるので個々の意外性、動きのボキャブラリーとか、見た目からはわからないキャラクターとかが垣間見える瞬間はおもしろいですね。いつも一緒にやっている人たちだとそういうのはあんまり出て来ないじゃないですか。それが作品にも直接影響して、このメンバーじゃないと出来ないものが出来てきていて面白いです。今回の作品は、出演者たちの「Turning Point」から、出演者自身が動きを作っていったところもあるので、動きを作ったその人自身が踊るとき、説得力がありますね。私が彼女たちの出して来た動きを色々と料理する訳なんですけど、軸となる部分があるのですんなりと身体にも頭にも入っていき易い。正直に、嘘無く表現できて、踊れている。

 一方で私が作って渡している動きもあるんですけど、そこに限らずまだ「やらされている」感が出てしまっている。その上にいかなきゃいけないんですけど、そこは個々のダンサーが与えられた動きを自分自身で料理しないといけない。まだ、そこが出来ていなくて間違えないで踊る、っていうようなところで終わっているところもあって。公演に向けての踊り込みで解決していくところですね。

― 公演に向けての抱負などお聞かせ下さい。

 たまたま集まった5人が一夜限りのパフォーマンスをする。そのときのために、みんな、もう一つ壁というか、そういったものを越えられたら良いんですけどね。クリエイションをしていて、一通りできてしまうと、そこで止まってしまう様な時がある。「もうこれはできた」っていうような。同じ動きだったとしてももっと違う事にチャレンジしてほしい。一回一回のチャレンジの中で探してほしい。だって繰り返しやったって面白くないじゃん、みたいな。本番は何が起きるか解らないので。リハーサルもして、何度何度も動きを繰り返すんですけど、毎回毎回、自分の限度を決めないで踊るたびにチャレンジをしてほしい。最後の本番には自分がそれまで感じた事の無いような瞬間をみんなで味わってほしいんですよね。