(仙台Bプログラム佐成哲夫「夢を見ているわけじゃない」より)

記:JCDN北本

2月8日(土)、9日(日)に実施した仙台公演は、2日目の9日は観測史上78年ぶりの大雪となりましたが、無事公演を終了することができました。電車が止まり、残念ながらお越しいただくことのできなかったお客様もいらっしゃいましたが、多くのお客様には雪の中にもかかわらず、お運びいただきましてありがとうございました。

今回の仙台公演は全部で4作品。2箇所目の公演となるAプロ2作品と、地元仙台で制作されたBプロと地元作品。Aプロは仙台公演以降も巡回公演が続き、Bプロ地元作品は仙台のみでの上演となります。しかし、どの作品も仙台での公演に狙いを定め準備してきたことも事実。また、それぞれ次の上演の機会があるなしにかかわらず、次なるステップへと進み始めていることだと思います。

さて、大雪の記憶もまだ新しい仙台公演の様子を上演順にお伝えします。
(写真はすべて撮影:越後谷出)

まず、Aプロ森田淑子作品「ヤマナイ、ミミナリ」。
この世に生まれたときから始まる出会いと別れ。作品を作る過程での出会いと別れ。そして、作品を作り続けながらも、今森田さん自身が生きる出会いと別れ。それぞれの歩みが交差する瞬間が、ダンス作品として私たちに何を語るのか。
仙台公演を終え、また新たな気持で作品づくりに向き合い始めたメンバーたち。公演終了後の彼らの様子は、今までと違い少し晴々とした表情でした。これからより一層作品をブラッシュアップさせていく決意を感じる、そんな表情です!

地元菅野光子作品「まつりのあと」。
仙台では初めてとなる地元作品の上演。
仙台という町で見てほしいこと、伝えたいこと、経験したこと、作品を作ること、ダンスで伝えること、菅野さんを始め出演者、スタッフ、そして仙台の人の思い、すべての熱い思いが詰まった作品でした。この作品が生まれたことをきっかけに、多くの議論も生まれました。そしてその議論の中から、多くの創造の場と人が生まれてくることに期待します。

Bプロ佐成哲夫作品「夢を見ているわけじゃない」
佐成さんが仙台の出演者と1ヶ月滞在して作った作品。
そのタイトルは思わず「じゃあ、なんなの?」と考えさせられる。
コツコツと足音を立てて迫る現在と過去、ハラハラと舞い落ち積み重なる現実と非現実、薄れゆく記憶と鮮明な夢。そんな、時間や記憶の空間を行ったり来たりしていると、突如として現れる男。その男が「じゃあ、なんなの?」のアンサーマン、だったのか。。。
ダンス作品に出演し舞台に立ちたい、という“夢”を抱いてオーディションに挑んだ参加者たち。その“夢”を叶えただけでなく、作品の“夢”も出演者なしでは語れないものでした。
しばらくは一緒に「じゃあ、なんなの?」を考えてみたいと思います。

こちらも2箇所目の上演となる、Aプロ余越保子作品「ZERO ONE」。
人の体には多くのツボがあって、その時の体調や部位によって効き方や押す場所が違います。余越さんの作品は、人がそれぞれ持つツボにきゅうっと効いてくる。効き方や効く部位が違うから感じ方は様々。けれども、確実にきゅうっとツボを押される。自分のからだも、ツボを押されるために微調整させながら、東京、京都の公演では晒したからだの、どのツボをどんな風に押されるのかを楽しみにしたいと思います。