12.15
熊野古道へ
滅多に和歌山に行ける訳ではないことと、熊野古道の山道を歩いてみたいこと。そして樹を眺めることがここ最近の私の大ブームということもあり、ワークインプログレスが終わりひと段落した次の日、午後の時間をオフにして、那須さんに連れて行って頂きました。
滝尻王子からの山道(結構上り坂が急)。
入口から気持ち良い空気に包まれて歩き出す。
一人一人、樹々が本当に魅力的で、思わずじーっと見ていると皆がどんどん先に進んで離れて行くという・・・。
これ、写真じゃ影になってしまってますけど、根っこがびっしりと岩にはりつきながら融合して、巨大な根っこが!!そういう生命力の固まりの様な、日常で中々触れられないパワーが本当に好き。
空の光と樹の陰。想像が湧く。こういう写真ばっかり撮りためる。
私はこの時間に出逢った樹の中で、この下の写真の凛とした方が最も好みでしたね。しっとりしていて、青々とした植物を身にまとって、ズンっと強く立っている。
ここを通り過ぎたあと、胎内くぐりに到着しました。。折り重なる巨岩の下の方にかなりタイトな隙間があり、全員なんとかくぐれました。解説板によると、土地の人は滝尻王子に参拝し、竹杖をもってこの山路をのぼり、この岩穴をくぐって山上にあった亀石という石塔に参ったそうです。女性がくぐれば安産という俗信もあるとのこと。
やったね。
そして、このちょこんと可愛らしいお地蔵様。
乳岩といって、巨岩がおおいかぶさり、下に座って雨宿りができそうなくらいの空間があります。解説板によると、藤原秀衡が夫人同伴で熊野参りに来た時に彼女が急に産気づき、ここで出産したという伝説があるそうです。夫妻は赤子をここに残して熊野に向かい、幼子は岩から滴り落ちる乳を飲み、狼に守られて無事だったので奥州に連れて帰ったとか。
うっかりすると、見落としそうな岩の裏側に世界があって、この赤いのがよく映えてるんだよね。寂しさと強さが混合する世界。しかも、とても静かだ。
樹を見たり風を感じたり、岩の模様を見たり土に触れること。それを見る時、単なる植物として、モノとしての現象だけではなくて、命の一つとして捉えて見ると、見えてくるドラマが変わる。
そういうことが、最近ずっとブームです。 伊東
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