ダンスにおける個と群の境を無くし、 一つの統一体としての動きを作り上げる試み
梅田が立ち上げた振付プロジェクト『Superkinesis』の6作品目となる。
個の体で起こる動きのシステムを、個を越え複数のダンサーにまで拡張し、
ダンスにおける個と群の境を無くし、一つの統一体として動きを作り上げる試み。
タイトルの「phase(位相)」にあるように、ダンサーの動かす部位や立ち位置など、
梅田が開発した動きのメソッド「Kinetic Force Method」を基に、
ダンスにおいての空間的要素とその関係性をテーマに動きと振付を作る。
振付:梅田宏明
ライティング & サウンドデザイン:S20
出演:Somatic Field Project
【松山】【八戸】:黒田なつ子/幅田彩加/江角由加/中村たから
【仙台】【神戸】:黒田なつ子/幅田彩加/江角由加/佐藤有紀恵
【東京】:幅田彩加/江角由加/佐藤有紀恵/中村優希
上演作品紹介
梅田宏明作品について[取材・文:みずのりつこ]
[動画インタビューより抜粋]
http://odori2.jcdn.org/6/?p=1655
「始めは写真をやっていて、“作品をつくる”という枠組みのひとつとしてダンスを捉えていたんです。やっていくうちに、踊りのほうがリアルタイムで表現できるという部分と、“踊りの情報量”の多さ、人間が人間を見るということに興味を持ちました。」
「“ダンスの情報”に対して、僕らがそれを受け取れる“言語”を持っているので、「感情」や、そこに働く「意識」まで、繊細に深く解釈できるんですよね。」
「僕にとってダンサーに振付することと、ソロで表現することは、プロセスは違いますが、アーティスティックには違いはなくて、求めているものはまったく同じものです。」
梅田宏明 Hiroaki UMEDA
振付家、ダンサー、ビジュアル・アーティスト。 2002年に発表した『while going to a condition』が高く評価され、フランスのRencontres
Choréographiques Internationalesに招聘される。 以後、パリのシャイヨー国立劇場共同制作『Accumulated Layout』や、YCAM共同制
作作品『Holistic Strata』などが世界中のフェスティバルや劇場より招聘される。 2009年から振付プロジェクト「Superkinesis」を開始。 他委
託振付作品に、ヨーテボリ・オペラ・ダンスカンパニー『Interfacial Scale』(2013年)、 L.A. Dance Project『Peripheral Stream』(2014年)な
どがある。 2014年には、日本の若手ダンサーの育成と、自身のムーブメント・メソッド「Kinetic Force Method」の発展を目的として「Somatic
Field Project」を開始。
Somatic Field Project
Somatic Field Projectは、振付家・梅田宏明が2014年に始動した、新たなダンスカンパニー設立に向けたプロジェクト。
あらゆるソマティック(身体的)な実験が行われる人間の身体をひとつの研究フィールド(領域)として捉え、実践的なリサーチを行っていく。
ここで研究される身体言語を梅田はKinetic Force Method と命名。 物理学でいう「キネティック・フォース=運動力」を、
美しい「フロー」として身体に通すことを目的としたメソッド。
プロジェクトでは、この運動を主軸に据え、国内外の若いダンサーたちと長期的にムーブメントの探究と実験を行っていく。