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札幌公演レポート 文:千田優太(インターン)
2016.01.22

はじめまして。9月からJCDNにて研修をおこなっている千田優太と申します。(芸団協が実施している 平成27年度 国内専門家フェローシップ制度)

普段は仙台にて、ARCTという団体やダンス幼稚園実行委員会の代表として活動しています。どうぞ、よろしくお願いいたします。
今回の研修の一環で、踊りに行くぜ!! Ⅱ の札幌、松山、仙台、神戸、東京の5カ所を巡回いたします。
先日、無事に終了した札幌公演のレポートですので、是非ご一読ください。

今年度の巡回公演がいよいよスタート。このあと各地を巡回するAプログラムとしても初演になる札幌公演だったので、本番前ギリギリまで作品をより良 くするためのクリエイションがおこなわれた。また、Bプログラム、Cプログラムの作品も劇場と一体となり、ここでしかできない作品を作り上げていた。この 公演のために日本全国、あるいは海外からもさまざまな人が集まり、お互いに刺激し合えることが、「踊 2」の良いところだなと感じた。

私個人として初めての札幌の地、そしてコンカリーニョという劇場。「自由」という言葉が一番似合う劇場だと感じた。無責任に何でもして良いではな く、使う人ひとりひとりが責任を持ち、自発的に楽しむための空間だった。劇場スタッフの作品づくりに対する姿勢を見て、このような空間はこの方々の常日頃 の積み重ねによって生まれているのだと痛感した。今年は10周年だそうだ。また必ず訪れたい劇場だった。

札幌公演で上演した4作品についてレポートします。

写真:yixtape

Taiga Honda

本田大河作品「人性」

自分が高校生だったとき、意味も無くからだを動かしまくったり、よくわからないことで悩んだり、とにかくよく寝たりしたなぁということを思い出した。
また、昔の人は演歌がかっこいいと感じ、自分の年代はHIPHOPがかっこいいと思っていたように、時代と共に変化する感覚というものがあるのだろう。今の本田さんには世界がどう見えているのか。自分には二度と戻ってこない世界なのかもしれない。未来に続く躍動を感じた。

Kota Yamazaki

山崎広太作品「暗黒計画1 〜足の甲を乾いている光にさらす〜」

人間の身体とは、これほどまでに魅力を持っているのか。よくテレビなどで、動物や海の生き物の神秘的な動きの特集があり、飽きることなく見入ってしまうことがある。それに近い感覚を覚えた。小学校に入る前くらいの女の子が、隣の席で笑いながら食い入るように観ていた。私以上に舞台上と通じ合っている気がした。

Yuko Hirai

平井優子作品「Ghosting-軌跡の庭」

光と影が織りなす幻想的な空間に漂う二人。影が勝手に踊り出し、身体を離れていく。これはこの世の者なのか、二人以外に誰もいなかったか、目に見えることを疑い、目に見えない何かを感じさせる。感情や意味を欠落された外国語としての日本語は、どこから聞こえてくるのか。どこに向かっているのか。

Yoko Higashino

東野祥子作品「現代版 ー7つの大罪ー 第一章」

情報が発達した現代社会において、世界中で起こっている事件や問題は、もはや知らない世界の話ではなくなっている。そして、それらは他人事なのではなく、どこかで自分の周辺とつながっている問題である。さまざまなシーンから、世界の諸問題を通して人間についてを七人のダンサーが描き出していた。第一章とは、舞台だけの話なのか。この続きを描いていくのは、私たち一人一人かもしれない。

Odoriniikuze Sapporo