NEWS
各地別Bプログラム公募内容紹介<福岡>
2014.06.13

こんにちは、水野です。今年からBプログラムの公募方法が変わりました。
各開催主催者が、地元出演者の数や対象、作品の方向性を打ちだしています。
公募いただくみなさんは、興味をもった地域別に公募していただくという方法です。
応募締切も近づいてきましたので、Bプログラムの主催者の紹介と、
今回どのようなBプロ作品を望んでいるかなど、各地別にご紹介していきます。

<福岡Bプログラム応募の内容>
福岡(2/28公演 会場:イムズホール) 「踊りに行くぜ!!」Ⅱ福岡公演実行委員会代表/宮原一枝
福岡は「ここで育つと芸能界の下積みができる」といわれるくらい、自己表現好き(のぼせもん)が多い土地柄。なので、演者も観客も斬新な切り口で驚かせ、おもちゃ箱をひっくり返したような、猥雑な作品をつくっていきたいと思います。
★出演者は舞台経験が3年以上あるパフォーミングアーツに関わるダンサー・俳優などを公募し、6~10名程度を選出してもらいたい。

<福岡ダンス事情 過去~現在>
*1999年から始まった福岡でのダンス事業は、これでもか、というほど、あらゆることが行われた。
福岡でJCDNがダンスプログラムのコーディネート事業を開始したのは1999年。まだJCDNの設立準備室の時代。福岡市文化芸術振興財団(FFAC)がダンスの事業を開始しようとした同時期、全国巡回行脚で佐東が福岡を訪ねたことがきっかけで、JCDNの初コーディネート事業のひとつになった。あれから15年近く福岡とはダンスでつながっている。
最初は「ダンスジェネレート福岡」「ダンス波」など、いわゆるクリエイション・ワークショップの先駆けとなる参加型プログラムで、参加者にダンス体験をしてもらう事業が行なわれた。振付家が福岡に1か月ほど滞在し、参加者が自らの小作品をつくらせるものから、振付家が参加者に振付けするものまでバリエーションがある。その中で参加者にダンスの楽しさや可能性を体験してもらった。講師として、当時まだメジャーではなかったコンドルズや、ベルギーを拠点にしている日玉浩史、山田せつ子、黒沢美香、山崎広太など、今でいうダンス界の重鎮が名を連ねる。
招聘公演も多数あり「アジア コンテンポラリーダンス フェスティバル」「マリー・シュイナール公演」国内のコンテンポラリーダンスの作品を招聘する企画も同時に開催。コミュニティダンスの草分け的存在のリズ・ラーマン・ダンス・エクスチェンジも招聘された。本格的なコミュニティダンスのクリエイションを、学校のあらゆる場所を会場に、アジア美術館全体を使用して、福岡の街並みで、などなど多数。ここからマニシアのような自主的なコミュニティとのワークも生まれている。JCDNのコーディネート事業だけではもちろんなくFFAC、NPO法人コデックス、アンスティチュフランセ九州(旧・九州日仏学館)の各企画主催公演、ワークショップ、が多数行われ、町の中でもダンスを広げる「ダンス・ウィーク」や、近年では「福岡ダンスフリンジフェスティバル」などが盛んとなり、国内外からも多くの参加者が出演している。
昨年から日本―韓国共同制作事業では、チョン・ヨンドゥさんが日韓のダンサーと作品制作を行った。
このような中、並行して「踊りに行くぜ!!」(ファースト)は3回目から、「踊りに行くぜ!!」2(セカンド)も継続して行ってきた。

「踊りに行くぜ!!」II vol.3 Bプログラム 大橋可也作品『フラジャイル・ワールド』 (撮影:GO)


*これだけ充実したプログラムを行ってきた福岡。作品をつくる作家と、パフォーマー・ダンサーどちらが多いのか?
参加型から、鑑賞するプログラムまで沢山ある福岡では、圧倒的にダンサー志望が多いそうだ。作家、振付家をやりたいという人材がなかなか出てこない、と言う人もいる。しかしこれは福岡だけの話ではないだろう。ダンサー志望が多いという事実は、これまで様々な公演を観たり、ワークショップに参加し得たものが、種となって、多くのダンサー志望の人たちの中に組み込まれていることであろう。また、聞くところによると、“福岡は派手好きな町、自分が参加して演じるのがむいている町”と言う人が多い。そういう意味では、Bプロに参加したいと思うダンサーが確実にいるということなのだろう。しかも、他府県と比較にならないくらい、ダンスのプログラムが多く、それらを経験してきている街であることは確か。はたしてその実態は。。。

「踊りに行くぜ!!」II vol.4 Bプログラム 長内裕美作品『Turning Point』 (撮影:泉山朗土)


<福岡実行委員会が福岡Bプログラムに期待していること>
今年の「踊2」福岡公演の主催をしてくれる実行委員に、1999年当時のダンスプログラムの参加者でもあり、長年ダンスの企画をしたり、踊ったり振付けしてきた宮原一枝さんが加わった。
根っからの博多っ子の宮原さんは、
「福岡は、九州各地から面白い人が集まる人材の宝庫です。“面白い企画”には興味をもって参加しますが、自分をさらすことにはびっくりするほどシャイな一面もあります。なので、Bプロに参加したいと思う福岡の出演者は、自分の表現の域を超えるための突破口を求めている人だと思うのです。ですので、福岡で作品をつくることに名乗りをあげてくれる振付家に望むことは、そんな参加者たちを明快で新鮮な切り口を持って、新しい扉をあけてくれる方を希望したい。」とのこと。
そうなのだ、やはり福岡をダンスで何かこうエネルギーを持たせたい、「こそこそせんと、しっかりせんばい」と思っているわけだ。博多どんたくという歴史と力のある町から、「えー!」というダンスを生み出したいという実行委員の思いがある。作品制作環境としては、FFACのサポートで、素晴らしい稽古場を使用させていただける。
宮原一枝を中心とする福岡公演実行委員会、制作を担当するNPO法人アートマネージメントセンター福岡が、イキのいい振付家をお待ちしています。