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ラストスパート!締切間際・Aプログラム公募について
2014.06.13

「「踊2」プログラム・ディレクターをしています水野です。
Aプログラム公募について、締切間際になりましたが、補足情報です!
今回で5回目の開催となる「踊2」。
1週間後に締切が迫りましたが、新作をつくりたい!&巡回公演で発表したい!と思っている方からの応募をお待ちしています。


■「踊2」で作品制作をすると、こんなことが待っている!
5年前「踊2」を始めた一番の理由は、片手間的なダンス作品の制作ではなく、どうすれば作家がじっくりと作品制作に取り組めるのか、それをどうにかしてサポートできないか?と考えたところから始まりました。
何故か? ― もちろん、おもしろいダンス作品を観たかったし、作品の力が社会や人々には必要だと思ったから。
そのために主催者ができることは何か?
★がっつりした制作環境の提供(じっくり制作に取り組めるカンヅメ状態の時間と場所)
★制作費の確保(制作に集中するための資金。制作に最低限必要な経費。)
★人前にさらされる機会(当たり前のことだが、意外に当たり前ではない。自分がつくった作品は、果たしてやりたいことが、伝わっているのかどうか?公演の幕が開くまでに、作品のレスポンスをもらう機会を持つこと。あーだ、こーだ、と思考錯誤し、言い合える場をつくること。)
★制作した作品を発表する機会(つくりっぱなしではなく、しかも、短期間に数回再演を重ねられる機会をつくり、作品を成熟させていく。)
★巡回公演・舞台演出を試す場の提供(自分の拠点以外での上演を実現する。劇場で長時間舞台演出を試す。)
これらは「踊2」は4回の開催を重ねて、まだまだ十分な環境をつくれたわけではないけれど、作家だけではなく「踊2」各地の主催者、ダンス・イン・レジデンスのスペース提供団体など、作品制作と公演へのサポート体制は熱い。
参加アーティストは、息つく暇もないほど、制作のスケジュールはやってくるわ、「報告するぜ!!」の取材はあるわで、制作に集中せざる得ないシーズンになることは間違いない。

vol.4「ヤマナイ、ミミナリ」森田淑子 photo:GO
■いろいろな応募の仕方―構成メンバーの編成の組みかたがあります。!
公募締切が近づくこの時期になると一番多い質問は、メンバーを応募前に決定しないといけないのか?というもの。つまり、メンバー選びが定まらないから応募できない、という悩み相談の応募者が多い。これは至極もっともなことで、どのような構成メンバーで制作を行っていくかで、7割方中味も決まるようなもの。
それ故、自分の活動の足元を見直すことになるし、軽い気持ちで声をかけ、なんとなく引き受けてしまう、ということでは最後まで作品制作が持続できない。
逆にこのメンバーで作品をつくりたい!と見えている人にとっては絶好のチャンスとなる。
「踊2」では、振付家とダンサーだけで構成され、作・演出・出演など多くの役割を一人で担ってしまう自作自演型はできるだけ避けてもらい、音楽、衣裳、映像、ドラマトゥルクなど客観的な視点をもてる構造をつくって制作にのぞんでほしいと考えている。

vol.2 「4….soku」青木尚哉 photo:泉山朗土
■Vol.1からvol.4の過去のAプログラムの構成メンバーを見返してみる!
☆振付家でないジャンルのアーティストが作者となるケース。作品の構成や演出は作者が行い、振付・ダンスを構成メンバーに託すというもの

*Vol.1 「カレイなる家族の食卓」村山華子 photo:GO
*Vol。3 カミイケタクヤ作品「House the homeless」
は、美術家として活動する作者が、振付家やダンサーと組み初めてダンス作品を制作した。
作者の専門分野である美術、映像、衣裳など、ダンス以外の要素とダンスとの拮抗は、舞台作品の質を確実にあげることになる一方、
作者の世界観を振付・ダンスにうつしだすための方法論は、まだ探っていく奥行きがありそうだ。
☆“カンパニー”として参加する。
Vol.3「MuDA G」は、構想QUICK、作・出演はMuDA。
「踊2」に参加する以前から、同じ構成メンバーで活動してきていたMuDAが、カンパニーの活動の場を広げるため応募。ツアーの旅費は5名分しか「踊2」からは負担できないが、カンパニーが自己負担してまでもフルメンバーで是非とも参加したいという強い希望があり、制作から巡回公演まで約10名ほどで参加。
同じカンパニーメンバーでの活動ではあったのだが、「踊2」の枠組みで、普段の拠点以外の地域で、各地主催者や観客の目線に作品が育てられていく。

vol.3 「MuDA G」MuDA photo:GO
☆作者が振付家で、ダンサー・音楽家・映像作家・などの構成メンバーを組む。
過去の応募では、このパターンで応募してくる作品が9割以上をしめる。Vol.1-Vol.4の10作品のうち、vol.4の2作品以外は、全て振付家も出演している。自らが踊ることで、より自分の表現を具体的に提示できるという反面、出演しつつ全体の作品をみるということは、ある力量が必要になる。
演劇だけなく、ドラマトゥルクをダンス作品で登用する傾向も少しづつ増えてきている。その役割の巾は広く、個々の作品によって適切な違いがあってよいと思う。作者が制作過程で悶々となるのは当然で、その道程でドラマトゥルクの存在は、よい作用をすることだろう。問題なのは、そのような出会いをもっているかどうか。

vol.4 「ZERO ONE」余越保子 photo:GO
■今年はどのような発想で、どのような構成メンバーで応募があるのだろうか?
「踊2」で上演しているものは「ダンス作品」なのか。


vol.4 「渚の風<聞こえる編>」黒沢美香 photo:GO
構成メンバーをどう組むか、経験がないとダメだとか、新人でないとダメだとか、そういう決まりは特にありません。しいて言えば、夏から12月末までに作品を形にする、1月からは全国6か所で公演というツアーで上演し、そこには観客が待っているーこれをやり遂げる作品を制作できる、ということが応募条件になります。それを想定して、やれると思う方なら、どなたからでも応募歓迎しています!
「踊2」では、何をもってダンス作品としているのか?と聞かれることがあります。セリフがあるものが良いか悪いかや、ダンサーとしてテクニックが在るなしや、出演者の年齢制限はありません。作り手と受けてが、「これがダンスなんだ」と納得してしまう作品、ダンスだからできる表現だ、と思わせてしまう作品を求めています。
新作のアイデア、そのための構成メンバーを編成していただき、応募をお待ちしています。
さらに詳しい「踊2」応募要項はこちらから →