松山の公演を皮切りに、八戸、仙台、神戸と続き、いよいよ来週東京公演になりました。東京公演では、また一人ダンサーが入れ替わります。そのためのリハーサルをこの二週間ほど行っています。
Somatic Field Projectのコンセプトから、踊りにいくぜの上演の中で、わがままを言っていくつかの公演地で出演ダンサーを入れ替えることをお願いしました。長期に渡って作品を上演することにおいて、ダンサーの入れ替えは不可避です。プロジェクトを強固に継続可能にするために、そういう運営・創作システムの必要性を感じていたからです。
「入替可能」と言うと、個性を排除した複製物のように聞こえるかもしれませんが、そうではなく個性を最大限生かした入替可能なシステムを目指しています。誰でもが入れ替え可能なわけではなくて、下地にしっかりと共通しているものがあるダンサーであることが前提で、その前提は僕が取り組んでいるKinetic Force Methodになります。メソッドの上にダンサーが個性を載せ、ダンサーの個性の上に作品が躍動する。そして個性は入替可能、という具合です。
ダンサーが入れ替わっても作品のエッセンスはしっかり残る創作方法を獲得することが、僕自身にとっては重要で、振付家として成長するためにも、この機会にどうしてもチャレンジしたかったのです。その振付創作システムを獲得したいという思いと、同時に多くのダンサーに上演経験をしてもらいたいという思いから、ダンサーの入れ替えをお願いすることにしました。
最初の松山公演から、ダンスの細部のアップデート、照明や音のアップデートなどをしてきました。東京公演では、一人新しいダンサーですが、作品のコアは見えると思います。
人は様々な表情を見せることで、その人らしさが出てきます。僕の作品ではダンサーが多くの表情を与えてくれ、作品らしさを見せてくれます。この二週間のリハーサルで僕も作品の違った表情を見ることができました。人の違った表情を見ることで、またその人らしさを知るように、異なったダンサーとのリハーサルを重ねていく中で自分の作品らしさを僕も知ることになっています。東京公演で見せる作品の表情がどういうものなのか、僕自身とても興味があります。
梅田