工場長の中間です。
神戸公演が終了し、もうすぐ一ヶ月が経とうとしています。うちの従業員はみな兼業なので、余韻に浸る間もなく大忙しで出稼ぎへと散り散りになりました。私も別の出演作品のクリエイションが始まったり、疲れが出たのか体調を崩したりしながら、変わりなくやってくる日々をどうにか過ごすことで精一杯でした。
遅くなってしまいましたが、ご来場いただいた皆さま、お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。たくさんの方に見ていただけてとても嬉しかったです。
このクリエイションドキュメントを書かなくちゃと思いながら、約半年間(構想から含めるとほぼ1年)運転し続けてきた『月月火水木金金』が終わってしまったことを認めるのがなんだか怖くて、振り返りのようなことをしたくなかったのが正直な気持ちです。
思えば今回のクリエイション期間、楽しかったことはひとつもなかったような印象があります。普段ダンサーとしての活動が主な私は、好きで作品をつくっている訳でも、振付家として認められたい訳でもありません。他の人はどんな気持ちで作品をつくっているのか分かりませんが、少なくとも私は苦しくて仕方がなくて、それでも消化しなければならない事柄があるから作品をつくるという行為に手を染めています。
そんな私なので、おそらく作家としてとても頼りなかっただろうと思います。最後まで作品に向き合ってくれた工員の佐藤と正木、研究員の藤澤に感謝・・・とはいえこれはお互い納得した上での仕事であるので、どんな言葉を贈ればよいのでしょうか。
・・・なんてひねくれた事を言わず素直にありがとうと、記しておきます。
日々の作業の最中、ダンスにとらわれている自分に気付く瞬間が辛かった。
そこから逃げ出したくてこの作品をやろうと決めたのに、思いつく方法すべてが結局ダンスにたどり着いてしまう。ダンスが好きすぎるのも問題だと思いました。
今度はまた別の遠い場所から、全く異なる形をしたこの作品を波に乗せることに挑戦してみたいとぼんやり考えています。それが一体いつになるかは分からないですが、その時はぜひお立会いいただけたらと思います。
その日が来るまで、工場は一旦おやすみです。
photo by junpeiiwamoto