踊りに行くぜ!!

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2015年4月15日
VOL.5を終えて―巡回フィナーレ@東京

3月末。「踊りに行くぜ!!」II(セカンド)では、VOL.5東京公演が終わるのと同時にVOL.6の全国公募がはじまりました。後片づけと新年度の準備が同時におこなわれているJCDNより、スタッフの千代苑子です。VOL.6新作アイデア絶賛公募受付中!!というわけで、次の新作アイデアが届くまでのあいだ、VOL.5東京公演をふり返ってみたいと思います。

(全舞台写真 撮影:前澤秀登)

全国巡回公演の千秋楽となった東京公演@アサヒ・アートスクエアは、おかげさまで数日前に前売予約が売り止めになるほど、たくさんのお客様にお越しいただき大盛況の中で終演いたしました。ありがとうございました。

2014年夏に全国公募で選出されたAプログラムの3組は、鳥取・城崎でのダンス・イン・レジデンス、札幌・松山での初演から全国を巡回して再演を重ね、辿りついたファイナル・東京の地。どの作品も構想期間から考えると、約1年以上かけて制作した渾身の新作です。2次選考会でそれぞれ緊張した面持ちで語られていた作品アイデアが、実際に舞台の上にダンス作品として立ち現れ、レジデンスや再演を重ねる中でどんどんと磨かれていくようすを間近でみせてもらった私は、最後の上演で胸が熱くなりつつ、客席からこの3作品を心に焼きつけていました。

Aプログラム3組、巡回テクニカルチーム、「報告するぜ!!」取材チーム、制作スタッフが勢ぞろいし、皆でカレーやおいしい地元の食材を食べながら、夜な夜な作品について語っていた城崎国際アートセンターでの途中経過発表は年末。気がつけばあれからあっという間に春がやってきたような感覚ですが、途中経過発表のあとの数日間に、『ナレノハテ』のワンシーンは1人芝居になり、『#1 天使ソナタ』ではノートがビリビリと破られて、作品が一気に変わりました。巡回公演中の福岡イムズホールでは、『To day』の世界がハッとそこに現れた瞬間がありました。

ほんの小さな選択で作品が大きく変わる瞬間、各地の会場によって作品の世界観に大きな影響を与える場面、そのようなプロセスを経て作品が変容していくおもしろさ、奥深さを感じた数ヶ月でした。

「踊りに行くぜ!!」II では、作品制作中にプロデューサーやディレクターだけでなく、テクニカルスタッフや広報・制作スタッフも含め、各アーティスト同士も、みんなで作品に対する意見を言い合います。制作途中から作品を人前に晒し、意見をもらって、課題に向き合う。みんな簡単には「いいねー」「おもしろいねー」と言ってくれるわけではないので、そこで生まれる感想や意見をどう受け止めるのか、どんな思考をもつのか。このプロジェクトでは、そんなクエスチョンが常に作家に投げかけられている中、作品制作を進めていきます。

選ぶ―捨てる、つくる―こわす、問い―答え、という繰り返しの作業は時間のかかることで、けして楽ではありませんが、そこから逃げ出さずにこれでもかってくらい人が時間とエネルギーをつかってつくった作品は、やっぱりおもしろいです。そしてそのプロセスを経られることこそが、このプロジェクトがもつ大きな魅力だなーと思います。

大事に積み上げてきたものを壊すのは簡単なことではないけれど、勇気をもって壊してみると新しい世界が開かれる、そしてそこにはまた向き合うべき新たな問いがある。その繰り返しから生まれてきた作品には価値がある。私はVOL.2からかかわってきて、いくつかの作品が生まれてくる場所に立ち合わせてもらって、「踊りに行くぜ!!」IIという企画の中で取り組まれた作品がもつ「熱」に毎年驚かされています。そのプロセスに手放しではなく、とことん付き合ってくれるこのチームがもつエネルギーもすごいと思います。

時間をかけて、作家が練りに練った作品。そこから観客は何を受け取り、何を思うのか。それぞれのテーマについて、ダンス作品について、考える人がまた1人でも増えていけば良いなと思います。たくさんの方が遠方からも観に来てくださって、関係者一同、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

「踊りに行くぜ!!」II では、さっそくVOL.6の新作アイデア・参加アーティストを募集しています。ダンサー・振付家に限らず、音楽や美術、映像など他分野からの応募も大歓迎です。新しいダンス作品がつくりたい、覚悟のある人はぜひ、「踊りに行くぜ!!」II で本気の新作をつくってみてください。今年はまたどんな作品に出会えるのか、楽しみにしています!!

★VOL.6公募情報はこちら⇒http://odori2.jcdn.org/entry.html

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