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- 2015年3月4日
- 巡回4場所目、福岡公演が終了しました!
寒気がのこり、雪が少しちらついた、2月28日。この日はアイドルのコンサートや大きな学会があったようで、九州最大の都市、福岡はいつも以上にたくさんの人で溢れかえっていました。博多駅から地下鉄で数駅、天神エリアのど真ん中にある、華やかなファッションビルの9階イムズホールにて、「踊りに行くぜ!!」II vol.5 の巡回公演の最南端、福岡公演がおこなわれました。足元の悪い中にも関わらず、福岡市内、また広島など遠方からも、たくさんの方にご来場いただきました。ありがとうございました。
福岡では、Aプログラムより巡回3ヶ所目となる、川口智子「#1 天使ソナタ」・桑折現「To day」の2作品、田中美沙子が福岡のダンサーと3週間のレジデンスを経て制作したBプログラム「底の庭の隣で待つ」、地元から選出されたCプログラム乗松薫「膜」の全4作品を上演しました。泉山朗土さんの写真とともに、上演順に観客アンケートをご紹介します。
▼川口智子 「#1 天使ソナタ」
・辻田さんの死のポーズ、かっこいい!すごかった!身体が美しい。圧巻。
・3人めの存在に中盤まで気付かなかった。2人の関係性と3人の関係性。身体の動き、音楽、そして朗読が加わる。テキストは放たれ、浮遊し捨てられた。音の存在に圧倒される。(男性)
・まるで舞踏のようなスローな動き。でも緊張感がはんぱなかった。(女性/40代)
▼乗松薫 「膜」
・アニメーションが進化していた!
・ほのぼのの中にある、力強さ。(男性)
・置かれた吊るされたもの。後半の映像。2人の力関係。正転したり反転したり。時々、お茶目。(男性)
・ユーモラスな動きになごみました。(女性/50代)
▼桑折現 「To day」
・枠で向き合っている男女が、爆音のノイズ・歪んだ声が鳴る中で、ダンスしているシーンが衝撃でした。(男性)
・全体的にモノトーンな世界観が出ていて、フレームがいろんなものをうつしている感じが出ていて、とても面白かった。ラストのアカペラがじーんと来てしまいました。最高でした。
・今回、音声がとても響いていて何かいつもと違う空間だなと思っていたのですが、作品を観て納得しました。「Over the Rainbow」がイメージできて、爽やかな気持ちになりました。
・木枠の存在。木枠の中に収まってしまう。木枠から脱出することはなかなか難しい。でも、木枠そのものを動かしてしまえば。。。照明と煙草の煙のコントラストも美しかった。声の山崎阿弥さんと、チェロの中川裕貴さん、圧巻だった。(男性)
・よかった!良くも悪くも京都的。今の日本のダンスだなーと思った。これを観るためだけにでも、と言わせる作品。(女性)
・照明×歌×ダンスの混ざり方がとても好きでした。(女性/30代)
▼田中美沙子 「底の庭の隣で待つ」
・鈴をわたしていくところが、印象的でした。(女性)
・前半のダイナミクス。後半は静かにじっと耐える。もがき、苦しみ、解き放たれたその瞬間・そんな瞬間があればいいなあ。(男性)
・テーマがはっきりしていてわかりやすかったです。(女性/50代)
・それぞれの人の個性を見抜いて、よく使っていたと感心しました。(女性)
<全体の感想>
・とても刺激的でした。非日常の体験が出来ました。夢を見ているようでした。上手く言葉になりませんが、胸が高鳴ったというのは本当で、良いものを見せてもらいました。(男性)
・それぞれ個性的で、舞台でしか味わえない独特な世界観を見ることができました。(女性/30代)
・意欲的な作品ぞろいで、これからが楽しみです。(女性/50代)
・それぞれの個性を感じさせる。よかった!!!(男性/30代)
・色んな発見があって、とても楽しかった。(女性)
・パフォーマーの表現力や全力投球している姿にはこちらも身体から汗がでそうなくらい熱く伝わって来ました。伝達するものですね!(女性/20代)
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巡回折り返し地点となった4場所目の福岡。外は雪が降っているのに、終演後の会場、そしてロビーには熱気がムンムンと溢れていました。普段、東京を拠点に創作活動をおこなっている元BATIKの田中美沙子さんと7名の福岡のダンサーたちが出会い『剥き出しの生』をテーマに作品制作に取り組んできたBプログラムは、福岡のみ1回きりの上演。人に振付けるのは初めてという田中さんが、初対面のダンサーと3週間という短いクリエイション期間でつくり上げました。身体は限界をこえていながらも、ダンサー1人1人が丁寧に田中さんとのクリエイションを積み上げて、一丸となって取り組んだ新作。全員の集中力と、ギラギラした瞳が印象的で、作家である田中さん、音響・アシスタントの林あきのさん、7名のダンサーの魂が込められているような作品でした。
トヨタコレオグラフィーアワード2014のファイナリストで、今注目の太めパフォーマンス・乗松薫さんも地元Cプログラムとして選出され、福岡公演のみの上演でした。今回の作品『膜』は再演とはいえイムズホールという大きな舞台にのせるためには、ほぼつくり変えるような作業。最初は戸惑いつつも、劇場入りしてからの数日間はどんどん作品がよくなっていき、本番では小さな子どもたちも前のめりで、自然と不思議な『膜』の世界に惹きこまれていました。これからも敷居をひくく、太い作品をみせていきたいと意気込む乗松さん。今後の活躍がますます楽しみです。
この福岡の熱をもって巡回公演はまた次の土地へと進みます。音楽×身体×テキストがますます重層的になっている川口智子作品、これまでのdotsの作品とはまた違った新しい世界観が生まれている桑折現作品、両作品とも福岡でさらに進化をつづけています。まだ目撃してない方は、神戸・東京公演へ!お見逃しなく! (JCDN千代)