踊りに行くぜ!!

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2015年2月15日
「踊りに行くぜ!」Ⅱvol.5 仙台公演終了しました!

「踊りに行くぜ!」Ⅱ vol.5 仙台公演 レポート

日時:2015年 2月7日(土)18:00/2月8日(日)15:00

会場:仙台市宮城野区文化センター パトナシアター

「踊りに行くぜ!」Ⅱ(セカンド)になって以降、仙台公演はvol.2からの参加となり今年で4回目となりました。私が仙台を担当するようになってからは3年目。共催の身体とメディア研究室の千葉里佳さん、伊藤み弥さんを始め、「踊2」以外の機会にも仙台でダンスに向き合い「踊2」では持つ力を発揮するぞって意気込みの作家、出演者の仙台在住の皆さん、全力で作品作りに関わってくれているテクニカルスタッフの皆さん、そして会場にお越しいただいたお客様。

それぞれの思いと費やして来た時間が、実を結んできたような、仙台の“踊りの場”を感じる今回の踊2仙台公演となりました。これからも、“仙台発のダンス作品”“仙台で上演すること”の場を作ることに向き合い、仙台らしさについても一緒により一層考えて行きたいな、と感じながら仙台を去りました。


さて、仙台公演の様子を報告します。
各作品については、お客様からのアンケートも引用しつつ、上演順にご紹介します。

昨年は79年ぶりの大雪に見まわれ、「まさか今年も、、」と不安もよぎりましたが、天気が荒れることもなく無事上演することができました。
客席の様子は適度な緊張感と集中力に覆われ、目の前での作品の様子を見守りつつ、じっと、何が起こっているかを一緒に感じようとする気配が存在していました。

お客様からのご感想や反応、また出演者、スタッフ等との意見の交換。さまざまな個性が集まり、ただひとつの“ダンス作品を作る”という目的を共有し、ともに過ごすことで、また次の目標が生まれることを実感した仙台公演。

Aプログラムは、今後東京公演まで数回の上演機会が待っています。B、Cは仙台公演が最初で最後で一旦一区切り。

しかし、A、B、Cとも仙台での上演を経て、次の目標に力強く進んで行く手応えを感じました。

Aプロは次の上演にますます期待できますので、福岡、神戸、東京の各会場にて、是非一覧いただきたいです。

(JCDN北本)

(アフタートークの様子)

Bプログラム
今津雅晴作品「舟」

2日目のアフタートークで「残したいから作品を作る」と言っていた今津さん。「舟」というタイトルに託した思い出の入れ物と、出演者が持ち寄った思い出。記憶の海に往来するのは、過去と現在、未来への家族の肖像。家族の記録として残るもののひとつが「家族写真」だとすれば、舞台上に繰り広げられた世界には、写真には留めきれない感情や情景が存在していた。見ている私はその感情や情景を共有したいと思い、もっと自分の舟に乗ってみたいと感じた。



(アンケートより)
・身体ではない架空のもの。(女性・20代/仙台市内)
・そうでならないといけない理由がもっと欲しかった。(男性・20代/鶴岡市)
・「舟」のラストの写真のようなシーンにかなり驚きました!そう繋がるんだ!と思いました。(女性・10代/宮城県内)
・舟。大きいの、小さいの、広がり、暑苦しさ、色々ありました。物を使っての作品・制限の中での作品作り、楽しくもあり大変だったと思います。またみたいです。これからも頑張ってください。(女性・30代/宮城県内)

Aプログラム
桑折現作品「To day」

タイトル「To day」。「today」でなく「To day」。Toもdayも伴う語によって用法や意味が変わってくる。初めてこのタイトルを見てから、ずっと引っかかってきた。この作品に通底して存在しているのは“世界観”。◯◯の世界観ではなくて“世界観”。例えば手触りに触れそうで触覚が遠く、温度が幻滅し真空にもなる世界。感覚をひとまとめにはできない“世界観”という存在感。◯◯のと決め込んでしまわない、境界線のない世界。「day」が日常だとすれば、浮遊する存在感に身体が透過した時、未知の日常に導かれる「to」 の意味が生まれるのかもしれない。


(アンケートより)
・コンセプトを読んでひかれた作品は、舞台を観てもおもしろかった。「To day」は印象深かった。(女性・30代/岩手県)
・枠とか腕の長さとか木とか音とか音楽とか歌とか言葉とか。あと踊り。(女性・20代/山形県)
・四角、円と枠を空間に使ったものに構成の美しさを覚えました。(女性・40代/仙台市内)
・山崎阿弥さんすごかった!!(女性・50代/仙台市内)

Cプログラム
平間文朗作品「杜」

地元の作家と出演者による作品。ダンサーの身体と太鼓演奏で鍛えられた身体。男と女。静と動。対となる事象を重ね、平間さんの考える社会を反映させた「杜」。若さと逡巡が交錯する舞台には、作家としてのスタートを切った、平間さんの静かな情熱を感じた。


(アンケートより)
・すごい伝わりやすかった。わかりやすかった。「和」と何か反するテイスト欲しかった。とても素敵な女性、6年位まえに今の状態で会いたかったな。青い人の切れそうで切れない鋭さ!(男性・20代/鶴岡)

Aプログラム
目黒大路作品「ナレノハテ」

品の中身について語るとすっかりネタバレなので、違う切り口で語ると24時間×365日考え続けている人の作品。なので「ナレノハテ」っていうタイトルはかなり挑戦的ととれる。舞台上の時間も、この次の時間も24時間×365日の終わりのない時間に組み込まれているからだ。その分、24時間×365日考え続けている厚みが否応なしに存在している。
骨太で微細、ずしりと軽妙、24時間×365日考え続けるのってやっぱり悪くない。

(アンケートより)
・面白かった。全部ひっくり返して回収しない感じ。(男性・30代/仙台市内)
・身体だけでも面白かったのにナナメ上で笑いました。(女性・20代/仙台市内)
・最後の作品がとてもよかったです。3人ともすごい才能だと思います。(男性・40代/仙台市内)
・ウケル!!笑 登場から全てが笑えた!!最高!!良い大人!!素晴らしい大人たち!!(男性・20代/鶴岡市)
・「ナレノハテ」とても震えが止まりませんでした。自分が子供を産んだら、こんな子が産まれるかもと、昔思い描いていたそのままが、動き出していたのでただただ涙が出ました。(女性・20代)
・ナレノハテの社会性と身体性の相克も頷けた。(女性・30代/岩手県)

各作品の舞台写真はすべて 撮影:越後谷出


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(アンケートより~全体の感想~)
・ダンス作品というのは初めて見たので圧倒されました。色んな味の作品があって面白かったです。(女性・20代/宮城県内)
・四者四様ですごくおもしろかったです。(女性・30代/仙台市内)
・踊りを久々に見れて、とても楽しかったです!!予想外の動きに驚きっぱなしでした。(女性・10代/宮城県内)
・普段舞台でやる「踊り」というものを観た事がなかったため、4団体それぞれのパフォーマンスに圧倒された。刺激になった。(女性・20代/福島県)
・今まで生きてきて体験したことのない感情がわいてきました。人の前で何かを表現することの奥深さが少し分かったような気がしました。(女性・20代/仙台市内)
・ダンサーのダンサーとしての力量が前より低いと思う。メッセージ性が強すぎではないか?(男性・30代/仙台市内)
・芸術にまで行かない創作は難しい。同じ舞台に立った人とは思えないもう一面が見えた。(女性・50代/仙台市内)
・久しぶりにコンテを見ました。懐かしく感じるところもあり、東北でももっともっとコンテが広がればいいのになぁと思いました。(女性・30代/宮城県内)
・初めてみましたがとっても新鮮でした。(女性・40代/仙台市内)
・不思議がいっぱい、いろんな自分の感情が現れました。(女性・40代/仙台市内)
・それぞれ全く違う作品で、とても刺激的で面白かった。どれも作者・出演者の強い想いや悩みが伝わってきた。また、ダンスを観て涙が出てきた(最初の舟の作品)のも初めての経験でした。(女性・50代/仙台市内)
・正直怖かったですが、今までに感じたことのない気持ちになりました。ダンスなのか、、、、、表現の投げかけなのかな、、、難しいなと思いましたが、何か感じたような気がします。(女性・30代/仙台市内)
・眺めていると自分の内に様々浮かんできて楽しんでいます。(女性・40代/仙台市内)
・言葉は正直だけど、“何もわからない”ということの不安さ、奥深さを知りました。4作品とも、“こわかった”のですが、なぜ“恐怖心”がテーマ??だったのかなと、、、(女性・30代/仙台市内)
・音のない世界はなんだか不安で歌や言葉や人の声はなんてここちよく、ほっとするんだなーと感じました。(女性・40代/仙台市内)
・音のない世界、息遣いひとつが演奏BGMにもなりうることに感動しました。アフタートークも楽しかったです。ダンスの概念が変わりました。(女性・50代/仙台市内)
・光と陰が凄く重要な要素になっていてキレイだった。(女性・20代/福島県)
・先日ダンス映画を観たのですか、今日のように「目の前に人がいる」感じは、やはり公演ならではだな、と。1~4まで順を追って舞台美術が減っていくのも印象に残りました。(男性・30代・仙台市内)
・“ダンス”という言葉をイメージして来場しますが、それを肯定的に捉え、そのものであろうとする作品、または模索の過程の姿を見せるもの、そしてそれを超えようとするもの、そしてそれと違うものをダンスと呼びダンスを拡張させようとするもの、ほんとうに様々で楽しかったです。(女性・30代/仙台市内)

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