あけまして、おめでとうございます。
松山初演からもどりました。

しばらく、ブログから姿を消していました。
わあ、書く時間がない!やばいー と思いつつ、つくるのに必死でした。

というわけで、ちょっと、ふりかえって書いてみます。

和歌山へ向けて、ダンスも映像も小道具も衣裳も音楽も
どんどん形になりました。
しかし、形になったものを受け取って作品に組み込んでいくのに、
こんなに頭を使うとは。

イメージしていたものが形になると、ものは形通りでも、
予想していなかったことがいろいろ出てきます。

例えば、道具が思うように動かせない、離れて見てみると色が思い通りに見えない、
一曲ずつはよくても繋げて聞くとなんかノリが悪い、などなど
あらー、こんなに挙るのね、と思い焦りました。








たぶん、一枚の絵であれば、描きたいものをザーッと描いて、
一度離れてみてみよう、という段階かと思うのですが、
舞台が難しいのは、絵のように、チャチャっと一人では直せないこと。

どう直したいのか、人に伝えていくことが
つくることのメインになります。

伝えるのは本当に大変な作業だと思います。
明らかに伝えられないときは、自分もイメージを強く持てていないことが多いので、
何度も作品の主題に立ち返ります。

一人で描く絵なら、まず描いてみて、間違ってたら直せばいいや、となるのですが
人の限られた時間を使うとなると、そうもいかない。。

なるべく考えをまとめてから、直しも依頼しようとするけれど、
作品と自分自身は切り離せない部分が多く、
主題に立ち返るごとに、自分自身について考えすぎてしまう。。

あー、いかん、と気づいて、頭をリセットさせます。
とにかく、自分はおいといて、他人の目で見て、楽しめるかを考えます。
きっと、こういう風に自分を突き放すのに、とてもエネルギーがいるのだろうと思いました。








上富田文化会館で、初めて全貌がみえました。
でも、最初は、つぎはぎだらけという印象。
レジデンスの時間は、ほんとに有効で
見て、直して、話し合って、また直して、見て、、がずっとできる。
4人の協力なスタッフ、そして、旅館の豪華でおいしい食事。

レジデンス中にだいぶなおして、地元の方々に見せました。

「ストーリーがわかりにくい」

映像の使いかたなど、ほめてももらったけど、
やはり、シンプルにこの意見につきました。

でも、ここまで問題が明らかになると、
どう直したらよいのかも、見つけやすい。

私はプロデューサー水野さんと、海がみえる電車にゆられながら話して、
あっこさんと晴ちゃんは、熊野の山を歩きながら話して
意見がまとまってきました。
あらたまって、打ち合わせしよう、という感じではなく、
海や山に触れながら、ふと話ができるというのはすばらしいと思いました。








東京にもどって、年末最後の稽古。
上富田のビデオをみて、たくさん話しました。

年明けから直しを入れるポイントが出そろい。
やることが一気に見えてきました。
お正月返上。
年明け数時間後には、晴ちゃんと新たにキューシートを書いており、
松山まで、ダンスも映像も小道具も衣裳も音楽も再度形になっていきました。

何人もの人の力で送りだされた松山。
現場では、現地の小屋のスタッフの方に、テクニカルにかかる箇所を受け渡します。
ここでも、スタッフの方への伝え方を学びました。

照明の入り、音の入り、映像の入り、タイミングやリズムは身体感覚で「ここっ」
というところがあるけれど、
身体感覚をいきなり共有するのは、とてもむずかしい。。

なので、だれが見てもわかるダンサーの動きをきっかけにするなど、
合図をわかりやすく伝える、そして、一緒に繰り返しやってみる、
人と一緒につくることをまた一個学びました。

本番はリハのかいあって、スタッフの方との共有が成功したかんじ。
うまく行ったと思います。
終演後すぐにトークがあって、そのままかたづけ、東京帰るまで駆け抜けたので
まだアンケートもビデオも見れていませんが
舞台に立っていて、お客さんの集中を感じました。
そして、トークにたくさんのお客さんが残って下さっていたことにびっくりしました。
松山、すごいですね。

とても長くなってしまいました。一気にふりかえりでした。

次は、本番後の家族による「カレイなる松山めぐり」をアップしますー。