「とりっとダンス」メンバー みきさんより。
とりっとダンスの箱男(一場面)より。

一人の男が舞台で体を動かしながら、回転している。独楽のようだ。
「一人で楽しんでいる」と書く独楽だ。そこへ、ひとりの女性が現れて、箱馬を手に、肩に、頭に乗せていく。
アクロバットではない。
次々と乗せられていく箱馬に体の自由が奪われていく。社会人となって家庭・会社・地域での責任やしがらみが絡み付いて、
身動きができなくなるようなものだ。男は一心に踊り続ける。「自分は一体何をしているのだろうか。」
考えることなく、働き続けたように、回り続ける。
 突然、男はこの「しがらみ」に気づき、自由を求めた。積み重ねられた経験や役職・責務をすべて放り投げたのだ。
男は自分が投げ出したものをちらっとみつめ、後悔などしない。
自由に歩き、消えていく。あとには、箱馬が残っているだけ。